外部講師として美術×ICTの授業を行いました!

12月と1月に、茨城県立協和特別支援学校高等部で「美術×ICT」の出前授業を2回実施しました。

第1回は「ライトアート」。部屋を暗くして、アプリ「夜撮カメラ」で撮影しながらペンライトを動かすと、光の軌跡がそのまま作品になる取り組みです。

一筆書きで文字を描いたり、ポーズした人間の形になぞって動かしたりと、ペンライトの動きを工夫して作品づくりをすることもできますし、音楽に合わせて光を動かすだけでもダイナミックな軌跡を作品にすることができます。

事前にアプリのインストール、ペンライト、カラーセロファンの準備を担当の先生にお願いし、当日はまず「PIKA PIKA Miyako Project 2012」の動画を紹介して授業をスタートしました。

この動画は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県宮古市で、「心に灯りを灯したい」という願いから行われたライトアートのプロジェクトを撮影したものなのですが、光の軌跡がどんな作品になるかがとてもイメージしやすく、ライトアートを行う際はいつも紹介をさせていただいてます。

その後にアプリ「夜撮カメラ」の使い方を紹介し、早速作品づくりに取り組んでもらいました。このアプリは「ライトアート」のモードがあり、細かな設定を行わなくてもすぐに作品づくりに取り組むことができます。

ペアになって撮影を進めていくと、光の軌跡がいろいろな作品になっていきました。二人でハートの形を作ってみたり、グループでクラス名を文字で表現したりと、どんどんアイデアが生まれていきます。
そして授業の後半は、全員で音楽に合わせてライトアートに取り組む活動を行いました。
まず【ONE PIECE FILM RED】Ado /新時代をヲタ芸で表現してみた【ゼロ打ち】の動画を紹介しました。
『ゼロから打ち師始めます。』さんのパフォーマンスはとてもダイナミックで、音楽に合わせたライトアートの魅力がよく伝わってきます。

はじめにAdoさんの「新時代」、そして次は学校でダンスのテーマ曲となっているYOASOBIさんの「ツバメ」を流しながら、生徒さんたちに自由にペンライトを動かしてもらい、先生たちに撮影をしてもらいました。
どちらも幻想的でダイナミックな映像作品を作ることができました。
1月に行った第2回は「コマ撮りアニメーション」にチャレンジ。アプリ「KOMA KOMA for iPad」でペーパードールやミニチュアを動かしながら、アニメーション制作に取り組みます。

まず「KOMA KOMA LAB」でアプリの操作についてチュートリアル動画を視聴しました。「KOMA KOMA for iPad」はインターフェースがシンプルで、撮影した写真がどんなアニメーションになるかをすぐ確認できるので、映像の面白さが体感しやすいアプリです。

人間を撮影してコマ撮りアニメを制作してもOKなことを伝え、キッズチャンネル情報局のサイトから「【ピタゴラスイッチ】こんなことできませんの簡単なやり方・撮影のコツを紹介!」の動画を紹介しました。
人間には絶対に出来ない、ありえない動きの映像を一般の方が投稿している動画が掲載されていて、コマ撮りの面白さや魅力がよく分かるサイトです。

一通りの紹介が終わった後に、ペーパードールやミニチュアを好きに選んでもらい、撮影をスタートしました。
少しずつ動かして撮影をしていくうちに、だんだんとストーリー仕立てになっていったり、リアルな動きを再現できるよう微細な動きを丁寧に撮影していったりと、様々な工夫が生まれていきました。

「人の動きでやってみたい!」と別室で撮影を始めるグループもあり、実物やリアルな人間の動きをアニメーションにしていく面白さを体験してもらうことができました。
ライトアートもコマ撮りアニメーションもちょっとした工夫で、とても面白い映像作品を制作することができます。

今回はそれぞれ1回ずつの体験授業でしたが、継続して取り組めれば、単元の中でテーマを決めて共同で制作したり、実写の動画などと組み合わせて1つの映像作品にまとめたりといった展開も可能です。

どちらの授業も、生徒のみなさんがとても楽しそうに意欲的に取り組んでいたのが印象的でした。
お声かけいただきありがとうございました!

山形県立鶴岡高等養護学校で公開研究会講師を務めました!

「自ら気づき、考えて行動する生徒を育成する授業づくり〜確かな学びをつなぐカリキュラム・マネジメントの構築〜」をテーマに研究を進めている、山形県立鶴岡高等養護学校の公開研究会で講師を務めました。

美術の研究授業では、砂絵の共同制作のための素材がたくさん準備されており、その組み合わせでアイデアを広げながら、「こうしたい!こう作りたい!」を実現できるような授業の工夫がされている様子がよく分かりました。

また、「お互いに作品のいいところを見つけて発表する」という活動を設定することで、生徒の見つけたことを発展させ、意味付けたり価値付けたりするファシリテーターとしての教師の役割が意識されていました。

どんな表現でも受け入れてもらえるという安心感が、生徒さんたちの制作意欲や創造性をさらに高めることにつながっていたと感じます。

3つの研究授業を見学しながら、この授業でICTを取り入れるとしたらどんなアイデアがあるか、ということをあれこれ考える機会をいただきました。
研究協議会後の講演では、「子どもたちの長所や強みを引き出すためのICT活用」をテーマにお話をしました。

子どもたちの「長所・強み」に着目し、可能性を引き出して発揮するには、「問い」や「あなたはどう感じるか?どう考えるか?」といった子どもたちに委ねるアプローチ、言語だけでなく非言語の世界の豊かさを引き出す視点、社会とつながりフィードバックを得られる機会、などが大切ではと考えています。
従来の授業のスタイルだとICTを取り入れるのはなかなかやりにくくなってしまうのですが、「発問」や「学習課題」の工夫に取り組む授業づくりを進めていくと、そこにICTをうまく取り入れていく可能性も広がっていきます。

講演後に「感じたこと・気づいたこと」をPadletに共有していただくと、「これから授業で早速使えそうなアイデアをたくさん知ることができました。」「生徒主導の授業の進め方や視覚的にわかりやすく伝える方法など思いもよらない方法ばかりで勉強になりました。」など、ポジティブなフィードバックをたくさんいただきました。

山形県立鶴岡高等養護学校のみなさん、ありがとうございました!

月刊「先端教育」10月号にインタビューが掲載されました!

月刊「先端教育」10月号(学校法人先端教育機構)にインタビュー記事が掲載されました。

2017年に山内佑輔さんと共に立ち上げたラーニングコミュニティ「SOZO.Ed」についてや、現在の弊法人の取り組み、新渡戸文化学園 NITOBE FUTURE PARTNERとしての活動について紹介させていだたいています。

山内さんがチーフを務めるVIVISTOP NITOBEは、子どもたちの様々なものづくりやプロジェクトが同時並行で進んでいて、とても活気に満ちたスペースです。
私も授業後にクルーとして関わりながら、いろいろなアイデアに触れることのできるとても楽しい時間を過ごしています。

よろしければ「先端教育オンライン」からも記事をご参照ください。