外部専門家の仕事を振り返って

今年度は都立特別支援学校4校で外部専門家を務めました。ICTを活用した授業をどう組み立てるかについての相談、授業観察を行って放課後に助言や提案、ICTを活用した出前授業の実施、校内研究についての講評、アプリの操作体験やワークショップの開催など、学校によって依頼業務は様々でしたが、私自身もいろいろな授業に関わることができてとても勉強になりました。

Clipsの活用をテーマにした出前授業のひとコマ

そのうちの一校では、学校全体でのSDGsの取り組みをサポートし、
ユニクロ 届けよう、服のチカラプロジェクトへの参加が実現しました。

これは、株式会社ファーストリテイリングとUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が主催しているもので、子どもたちが主体となって学校や地域で子ども服を回収し、服を必要としている難民の方に届けてもらう教育プログラムです。

ちょうどSDGsをテーマにした出前授業を行なった際に、「こんな活動があるんだけど取り組んでみる?」と呼びかけると、子どもたちから「やりたい!」という声があがり、実際にユニクロの店長さんにいらしていただき、プログラムについての説明を行っていただきました。

中学部の授業ではKeynoteでポスターを作成。子ども服の回収を呼びかけるユニークでカラフルなポスターが完成しました。

Keynoteを活用した「子ども服の回収」を呼びかけるポスターの作成

校内だけでなく近隣の学校とも連携を進め、お隣の小学校に出向いて外部講師として6年生の総合的な学習の時間に授業もさせていただきました。

特別支援学校への理解を広げるちょうどいい機会だったので、
「障がい」「特別支援学校の授業」「iPadの活用」「SDGsの取り組み」を交えて話をしたところ、授業後に子どもたちがたくさんの感想を書いてくれました。

「特別支援学校は暗いふんいきだと思っていたけれど、楽しそうで明るいふんいきでみんな生き生きしていると感じました。」
「一番感心したのは特別支援学校の授業です。iPadを使った授業が多くてとてもおどろきました。」
「特別支援学校でレゴブロックを使って動画を撮っていてすごいと思いました。」
「特別支援学校の子もSDGsに取り組んでいるなんてすごいなと思いました。ぼくらの学校も一緒にやりたいです!」

一人一人素敵な感想を書き綴ってくれて、私もとても感銘を受けました。

近隣の特別支援学校とも連携し、地域の3校で取り組んだプロジェクトでは、実に3,000着の子ども服を集めることができ、株式会社ファーストリテイリングとUNHCRからの感謝状もいただきました。PTAも積極的に協力してくださり、石神井特別支援学校PTAではプロジェクトをかわいい冊子にまとめてくれました。


今年度の取り組みを通して、ICTを活用しながら、プロジェクトベースで障がいのある人とない人の共生の道を探っていくための小さな一歩を踏み出せたかな、と感じています。

SDGsの取り組みについてまとめた冊子(東京都立石神井特別支援学校PTA作成)

来年度は外部専門家の仕事がさらに増え、8校に関わる予定です。
それぞれの学校でよりよいアドバイスができるよう、私もブラッシュアップしていきたいと思います。

NHK for School 活用研究プロジェクトで実践報告をしました!

研究委員をさせていただいている「GIGAスクール時代の NHK for School 活用研究プロジェクト」3年目で初の対面ミーティングがありました。

今までずっとオンラインでミーティングをしていた方々と初めてリアルでお会いでき、番組の活用、ICTの活用、授業研究などなど深くて濃密な話をたくさん聞くことができました。

実践報告では、新渡戸文化小学校1年生で今年取り組んできた「NHK for School『テキシコー』を活用したアンプラグドプログラミングについて」を発表しました。

もともとは、一人一台の端末が子どもたちの手元にまだ届かないタイミングで情報の授業をスタートすることになったため、「テキシコー」の視聴から始めたのがきっかけでしたが、予想以上に「テキシコー」が子どもたちに大好評で、毎回とても盛り上がる授業となりました。

番組内のコーナー「ロジックマジック」「プログラム人間」などを「自分たちもやってみよう」という形で、視聴後の活動に取り入れたのですが、番組でイメージができていたので導入がしやすく、その後に「ダンスダンスダンス」「キュベット」などの活動に発展させることができました。

今回取り組んだ実践は、成果報告などの形で掲載される機会がありましたら、またお知らせをしたいと思っています。

沖縄県特別支援学校情報教育研究会で講師を務めました!

沖縄県特別支援学校情報教育研究会主催令和4年度公開研修会で講師を務めました。

社会や時代の変化、アーティストとのコラボレーションについて、学校教育のこれから、特別支援教育におけるiPadを活用した授業実践、Kahoot! のワーク、などの内容で2時間半の研修会を行いました。

会場としてご案内いただいた沖縄高等特別支援学校では、木工班の生徒さんたちが、なんと私の法人名とロゴ、そして名前を作ってくれていて、プレゼントしていただきました!とっても嬉しかったです。

研修会の最後までみなさん熱心に聞いてくださり、アンケートでは次のような感想をいただきました。

・「よかった」ではなく「とてもよかった」。今まで講演会を受けたなかで、一番自分にためになる講演会でした。
・本当に素晴らしい役に立つ講演会でした。現場の教師のための講演会でした。
・先生のこれまでの活動はとても素晴らしいと思いました。多様な学びの方法も参考になりました。
・一人一人の個性を伸ばしつつ、共に成長することの大切さを確認することができました!
・事前の質問に答えていただけてとても参考になりました。学校に戻ったらすぐに活用してみようと思います。
・海老沢先生の講話を通して多くの学びを得ることができました。
・変化する社会に対応する力という視点で、他の講師の方とは違った内容の講演会で素晴らしかったです。アートの視点でICT活用を考えていくことは大変興味深く、勉強になる内容でした。
・アプリの組み合わせで、こんなにもクリエイティブで面白い取り組みができるとは驚きました。
・Kahoot! というアプリ面白かったです。早速授業に取り入れてみようと思います。ありがとうございました。

———講師として非常にありがたいご感想の数々でした。今後また沖縄の先生方とコラボレーションする機会があったらとても嬉しいです。ありがとうございました。